ニュース&トピックス

ニュース&トピックス


2017.3.22

名品そろい踏み 上野・東京国立博物館

 毎日新聞2017年3月15日 東京朝刊

重要文化財 青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆(中国・龍泉窯、南宋時代・12〜13世紀) 東京国立博物館蔵
国宝 紅白芙蓉図(こうはくふようず)(紅芙蓉) 李迪(りてき)筆(中国 南宋時代・1197年) 東京国立博物館蔵=展示期間は5月23日〜6月4日
重要文化財 青井戸茶碗 柴田井戸(朝鮮 朝鮮時代・16世紀) 東京・根津美術館蔵
重要文化財 黒楽茶碗 銘 ムキ栗 長次郎(安土桃山時代・16世紀) 文化庁蔵

 歴史を動かした武将や茶人が愛した名品が一堂にそろう特別展「茶の湯」(毎日新聞社など主催)が4月11日、東京・上野の東京国立博物館で開幕する。長い時間をかけて日本文化の象徴とも言える存在になった茶の湯。室町時代から近代まで、茶の湯の歴史を名家秘蔵の逸品でたどることができる貴重な機会になりそうだ。【高橋咲子】

 鎌倉時代初期、禅僧の栄西が中国から持ち帰ったとされる宋時代の喫茶法は、社交の道具として次第に禅宗寺院や武家に浸透していった。

 中国などの美術品が「唐物(からもの)」として珍重された室町時代、千利休らによって「侘茶(わびちゃ)」が大成した安土桃山時代、茶の湯が大名から豪商、町衆にまで広がった江戸時代……。本展では、中国からもたらされた茶の文化が、長い時間をかけて「茶の湯」文化に発展していった歴史を時代を追って紹介する。

 今回出品される約260件のうち、およそ3分の1が国宝や重要文化財といった指定品であるため、これだけの名品がそろうのはまさに「奇跡」。37年前、今回と同じ東京国立博物館で開催された「茶の美術」展以来の充実ぶりと言っていい。

 国宝「曜変天目(ようへんてんもく) 稲葉(いなば)天目」(5月7日まで期間限定展示)や国宝「油滴(ゆてき)天目」、足利義政が愛した重要文化財の「青磁輪花茶碗(ちゃわん) 銘 馬蝗絆(ばこうはん)」、織田信長から柴田勝家に贈られた重文「青井戸茶碗 柴田井戸」など、“名碗のオールスターズ”が登場するほか、国宝で牧谿筆「観音猿鶴図」(同)などの絵画や花入(はないれ)なども合わせて展示する。

2017.3.22

道具を通して歴史学ぶ MIHOMUSEUM館長・熊倉功夫さん(74)

 毎日新聞2017年3月15日 東京朝刊

=高橋咲子撮影

 茶の湯文化と日本人の関わりについて、MIHO MUSEUM館長、国立民族学博物館名誉教授(日本文化史・茶道史)の熊倉功夫さん(74)に話を聞いた。

 喫茶文化は8世紀末に確立しました。唐の文筆家、陸羽が最初の茶の百科全書「茶経」を記し、中国文化の中で市民権を得ました。日本には遣唐使を通じてもたらされましたが、いったん途絶え、12世紀に栄西によって再上陸します。

 西洋世界で急速に広がったのは、社会の近代化が進んだ18〜19世紀。産業革命が一つの契機となり、ストレスを強く感じる社会となったためです。ストレスを鎮めるため、カフェインが好まれ、コーヒーやチョコレートも広まりました。このころ米国独立戦争のボストン茶会事件など、茶が世界史を動かすまでになりましたが、喫茶文化を生活文化にまで高め、精神世界を取り込んだのは日本だけです。

 日本人は「間」を大切にしてきました。人間関係だけでなく、人と物、物と物との関係とも言えます。一つ一つが独立するのではなく、関係性の中にアイデンティティーが生じるのです。例えば曜変天目を使うとしたら、竹の古びた茶杓(ちゃしゃく)はおかしい。できれば象牙の茶杓や明代の茶の台「天目台」を使いたい。燕子花(かきつばた)図(ず)屏風(びょうぶ)はカキツバタの季節に飾ってこそ。つまり「道具」なんです。いくら立派な道具でも、一つ外すと100がゼロになってしまう。

 茶の湯は長らく正統な美術史として扱われてきませんでしたが、1980年に東京国立博物館で「茶の美術」展が開かれました。画期的なことでした。そして、90年の「千利休展」(京都国立博物館)で人間を通して一つの文化史を描いた。今回ようやく「茶の湯」と銘打ち、全体像を描く展覧会が開催されます。

 外の人間として、これだけ名品がそろうのは「茶の美術」以来と言えます。今回並ぶ道具も、単なる美術品としてだけでなく、どんな場合にどう使われたかを想像してほしい。展覧会を機に勉強してみることをお勧めします。懐石料理を含む茶事を経験してみれば、茶の湯の中で生きてくるシチュエーションも分かります。

 「物語」は物が語り継いでいます。語りを残していないものは単に「物」。語りはすなわち歴史。歴史を道具の中で楽しんでほしいですね。

2017.3.17

「都立庭園 茶の湯マップ」を配布中!

 東京都公園協会とのコラボレーションチラシを配布中!

 「茶の湯マップ」では、お抹茶とお菓子を気軽に楽しめる都立の庭園をご紹介しています。

 「旧岩崎邸庭園」「浜離宮恩賜庭園」「六義園」「小石川後楽園」など、春は展覧会とともに、都立庭園ですてきな茶の湯体験はいかがですか?

 チラシはこちらからもダウンロードいただけます。

都立庭園 茶の湯マップ
2016.10.7

特別展「茶の湯」 4月11日から

 毎日新聞2017年1月24日 東京朝刊

 特別展「茶の湯」を4月11日から6月4日まで、東京・上野の東京国立博物館で開催します。国宝「曜変天目(ようへんてんもく) 稲葉天目(いなばてんもく)」(静嘉堂文庫美術館蔵、展示期間は4月11日〜5月7日)をはじめ、名だたる武将や茶人たちが手にした名碗(めいわん)や、室町時代から近代までの時代を象徴する名品で「茶の湯」発展の歴史をたどります。1980年に同館で開催された展覧会以来、37年ぶりの大規模な「茶の湯」の展覧会です。

 主催 毎日新聞社、東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション/協賛 伊藤園、トヨタ自動車、日本写真印刷、三井住友海上火災保険、三井物産

2016.10.7

特別展「茶の湯」 歴史的名碗、一堂に 来春、東京で開幕

 毎日新聞2016年10月7日 東京朝刊

 歴史を動かした武将や茶人たちが手にした名碗(めいわん)が一堂にそろう特別展「茶の湯」(毎日新聞社など主催)の開催概要が6日、会場の東京国立博物館で発表された。

 会期は2017年4月11日〜6月4日。中国からもたらされた茶の文化が日本で発展する様を、室町時代から近代まで時代を追って紹介する。

 記者会見で三笠景子主任研究員は「出品されるのは今でも宝物のように扱われている道具の数々。『茶の湯』そのものを象徴するような品々が勢ぞろいする」。松本伸之副館長も「『名碗オールスターズ』をうたっているが、これだけの名物・名品がそろうのは歴史的なことだ」と語った。

 展示するのは、室町時代に足利将軍家が集めた重要文化財の「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆(ばこうはん)」や国宝「油滴天目(ゆてきてんもく)」、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった歴代の天下人が所持し一国一城に値するといわれた茶壺(ちゃつぼ)のうち、重要文化財「唐物(からもの)茶壺 銘 松花」、旧三井物産の初代社長で、茶人として知られた益田鈍翁が所持した「黒楽茶碗 銘 鈍太郎」など。このほか、茶室を彩った絵画や花生(はないけ)なども合わせて紹介する。

 松本副館長は「日本人の創造精神が凝縮された茶の湯の世界を見てほしい」と語った。同展公式サイトはhttp://chanoyu2017.jp/【高橋咲子】